美容師について

 美容師に必要なことは、技術者の会話における聞く能力、伝える能力、知識力、技術力、経験、そして人間性でしょうか。どれだけ練習し、勉強し、実践してきたかはもちろん、感情を持つ人間と接するわけですから人としてどうなのかということも大切です。

 お客さんにとってどんな技術者がいいのかには、もちろん上記のことも大切ですが、一番重要なことがあるんです。それはフィーリングです。
見た目、雰囲気、話し方、考え方・・・いろんな要素が関わっているとは思いますが結局はこれに尽きると思います。

 基本的に美容師にはカットまですべてこなせる「スタイリスト」とスタイリストになる為に勉強中でカット以外のサポート(シャンプー、カラー、パーマ等)をする「アシスタント」がいます。

 スタイリストだからアシスタントより上手なはずだし、カット以外も全部スタイリストにやってもらいたいというのは当然だとは思うのですが、アシスタントはその技術のチェックに受かってからではないとやらせてもらえないので、普通に問題なく出来るから大丈夫です。
また、アシスタントの時に人の頭の形や髪質の違いや接客などを学ぶからこそ、スタイリストになれます。

アシスタント時代に自分を磨くんです。
どんなスタイリストになれるかにもかなりの影響があると思います。スタイリストになって、慣れたら勉強しなくなるひともいますし。人それぞれです。

 スタイリストになってからも、新しい技術・知識を身に付けていかないとお客さんの要望に応えられないこともあるかと思いますし、ある程度技術が安定する・本質が見えてくるまでは時間がかかると思うので、カットが出来るようになってからも常に勉強は必要だと思います。

 また、今はインターネットですぐに情報が手に入りますし、お客さんも美容に関して詳しいです。専門職なのにお客さんのほうが詳しいとかだったら、美容師として終わってますよね・・・。
ただ、手軽に情報が手に入るのはいいことなのかもしれませんが、それが正しい情報かは分からないので、見極めることも大切になってきますね 。髪質によって向き不向きもありますから、一概に何が良いとは言えません。

 スタイリストによってそれぞれ得意なスタイル・苦手なスタイル、得意な技術・苦手な技術があると思います。人によっては何でもイケる!って方もいるかもしれませんが、だいたいは得意・苦手まではいかないにしても好き・嫌いはあります。

 スタイリストも「人」ですから、十人十色。技術も違う、知識量も経験も違う、スタイルの好みも違う。そして一番は考え方の違い です。求められたスタイルにするためにはどうするか?その工程が一人ひとり違います。

何を優先するのかにもよります。
髪を傷ませないようにやるのか、傷んでもいいから変化を求めるのか・・・など、いろんな面での考え方がその人のする技術・接客の方向性を決めています。

ちなみに、もし私がお客さんの立場なら、休みの日何してますか~?とか、たわいのないテレビの内容の話とかは苦手なので、基本的に無言で仕事をしていただきたいです 笑。

美容師を続けるのは、大変!

 美容師の下積み期間である、アシスタント時代は特に大変です。そして、この期間に美容師をやめる人がとても多いです。

まず、技術のチェックに受からなければ、当然ですがお客さんの施術をさせてもらえません。だから朝や夜、仕事の時間以外に技術の練習をします。シャンプーから始まり、カラー、パーマ、ブロー、カット…。
スタイリスト(カットまですべてできるように)になる為にはこの期間は避けては通れません。

 家には帰って寝るだけの生活です(スタイリストになってからも、アシスタントに技術を教えるために練習に付き合うことも多いので、そんなに変わりませんが)。

 また、立ちっぱなしであれだけ長い労働時間、少ない休日で働いているのにもらえる給料は16万前後。時給にしたら600円以下ですし、正社員といっても社会保険もないケースが多いです。そこから自分で国民年金・国民健康保険・住民税なども払わなければいけません。そのへんでアルバイトした方がマシって思っても仕方ないですよね。

 さらに、練習に必要な道具・ウィッグ(練習用のマネキン)代もかかります。仕事で使用するハサミは最低でも3万~で、7万位のものを使っている人が多かったです。
ウィッグは安くても1体2000~2500円くらいですので、カットの練習期間に入ったらお金の心配もついてまわります。

 一人暮らしもままならないです。親からの援助がないとなかなかやっていけないことが多いです。ちなみに、こんな状況なので国民年金払わない・・・というか払えない人も多いです。ちゃんと働いているんですけどね、悔しいことに給料が少なすぎるからだとおもいますが。(ちなみに私は払っていました。一人暮らしの時は貧乏すぎて辛かったです 笑)

 また、アシスタントはシャンプーをしたり薬に触れる機会がスタイリストより多いので、肌が弱い人は手荒れとの戦いです。仕事だけでなく、自分の髪を洗うのも顔を洗うのも、服のボタンを留めることさえ苦痛です。電車のつり革をつかんだだけで関節の皮膚に亀裂が走りますので、つり革も持てません。

 この期間を平均三年過ごします。(今は一年や二年でスタイリストに成れる教育プログラムのところもあるようですが。これについては低料金化の影響で。)
この期間が耐えられなくて多くの美容師が辞めていきます。

 私は下積み期間を終えてスタイリストになっただけでも根性あるなと思っていますし、美容師を続けている人って本当にすごいです。

実際はバカでは美容師できません

 こんなタイトルで申し訳ないですが… 美容師は分かりやすいくらいの「手に職」の仕事です。美容師の仕事をしているというと、大体「『手に職』だからいつでもどこでも働けていいわね」って言われますしね。

 昔から、学校のお勉強が苦手な人が良く選んでいた職業だったようなので(今はそれほどでもないかもしれませんが)、世間でのイメージは美容師は勉強が苦手というのが強くあるようです。確かに、勉強苦手だからしたくないっていう人が多い気がしますが…。

 どんな仕事でもある程度は頭を使ってするものだとは思いますが、美容師も頭を使います。なので勉強も必要ですし、おバカではできません。

知識なしで、美容技術の理解が無い状態ではお客さんの求めるスタイルを作れないし、お客さんの悩みの解決策も提案できない。

また、お客さんが伝えようとしてくれているスタイル、悩みなどを聞いて理解する能力・伝える能力が無ければあまりいい仕事は出来ないでしょうし、お客さんからの信頼も得られにくいのではないでしょうか。

 美容師はセンスが良くなければできないような、感性とか感覚とかが重視されるような気がしてしまいますが、もちろん美容の技術にもしっかりとした理論があります。
理論が分からなければその技術を理解できませんので、求めるスタイルを作ることはできませんし、理論を理解していなければ薬を使うなんて恐ろしくてできません。

 美容で使う薬は髪だけではなく、直接皮膚にも触れますし、髪を傷ませてしまったら回復はしないので、知識なしでは危険なので扱えません。
…なので、美容の技術は感性だけではできません。

 どう切ればこの形になるのか、どうカラー剤を調合すればその色が出せるのか、どのパーマでどうかければ求めるウェーブが出るのか・・・など、美容理論を理解しなければ仕事にならないからです。
感性だけではお客さんの要望に応えられないこともあるでしょう。

 もちろん、知識だけではなく美容の技術を練習し、実践して身に付けるのも仕事をする大前提になりますが。

 また、接客面でもお客さんの話を理解する能力、分かりやすくお客さんに説明する能力は特に重要だと思います。
自分自身がその技術・理論をしっかり理解していなければ、お客さんの悩みの解決策も提案できないでしょうし、お客さんに分かりやすく説明することも出来ません。

 お店が混んで来た場合はお客さんを待たせないためにどのタイミングでどう動くか、いつまでに今の技術を終わらせなければいけないか、頭を使い手を動かさなければなりません。

美容師は論理的な思考を行う左脳と、五感を通じた感性・感覚を司る右脳の両方を使い、仕事をしています。
技術はあって当たり前、あとは聞く能力・伝える能力がある事と接客が大切だと言われて働いてきましたが、美容師として働けば働くほどそれを実感させられます。

逆に言えば、残念ながらセンスがあまりなくても、しっかり勉強すればある程度のセンス不足はカバーできるかな…とも思うようになりましたが。


美容師は自分自身が商品。
いくらキャリアがあっても常に勉強は必要ですね。